創業支援の専門家として、新規事業の企画・戦略、マーケティングまでを幅広くご支援されている、株式会社みらいスタジオ様。
起業家の総合的な支援とともに、スタートアップや事業創出のノウハウを活かしたプロダクト開発も行われています。
今回は数年前のプロジェクトからご一緒させていただいている、兼城様と野村様にお話を伺いました。
(Talk member)
代表取締役
兼城 駿一郎
執行役員 CTO
野村 弘樹
代表取締役
坂口 浩介
取締役 CTO
奥田 峰夫
みらいスタジオ様について
- 坂口
- まずは、みらいスタジオ様の設立の経緯を教えていただけますか。
- 兼城
はい。私はもともと、高等専門学校(高専)のキャリア教育やコミュニティの運営を行う事業に10年ほど取り組んできました。そこには、学生からOB/OGまで2500人を超えるエンジニアがいて。彼らが起業するときやスタートアップ支援として、なにか手伝えることがあるのではないかと考えたことが設立のきっかけでした。
そのキャリア支援の事業を行っていた、株式会社高専キャリア研究所からカーブアウト(※1)する形で生まれたのが、株式会社みらいスタジオです。みらいスタジオでは、起業家の事業開発やプロダクト開発などを、総合的にご支援しています。
- 奥田
兼城様と野村様は、どのようにしてお知り合いになったのでしょうか。
- 野村
兼城とのはじめての出会いは、私が学生の頃に参加した高専キャリア研究所のイベントです。そこでのつながりから兼城のもとでインターンとして働くようになりました。一度は別の会社に就職したものの、副業として働き続けていたので、ずっと関わりがあって。社会人として働き始めて数年が経ったタイミングで、みらいスタジオへ入社することになりました。
- 兼城
野村が高専に在学中の2015年頃からなので、かれこれ10年くらいの付き合いになります。他にも長い付き合いのスタッフがいますが、求人を出して採用したスタッフは一人もいないんですよ。
- 奥田
昔からの深い付き合いのあるスタッフ様が多いんですね。その他に、業務委託として関わりのある方もかなりいらっしゃるんですよね。
- 野村
そうですね。デザイナー、エンジニアともに業務委託として関わっていただいている方もたくさんいます。ウィルスタイルさんとの出会いは数年前、弊社がスタートアップの起業家を支援する中で、同じチームとして参画されていたのがきっかけでしたね。今はパートナーとして様々なお仕事をご依頼させていただいています。
- 坂口
兼城さんは初めてお会いしたときから、様々なタイプの方と柔軟にお仕事をされている印象ですが、お客様と接するうえで心がけていらっしゃることはあるのでしょうか。
- 兼城
お仕事の進め方については、私の中では2つのポイントがあると思っています。1つ目は、仕事だと思って話をしていないということです。一緒にビジネスを成功させる同士としてプロジェクトを始めているので、互いに忖度なく、相手の懐に入りやすいのではないかと思います。
2つ目は、様々なビジネスの経験や支援をしてきたので、引き出しの数が多いということです。引き出しが多いと、「こうすれば更に良いビジネスができるのではないか」というような提案がしやすいように感じます。自分の引き出しを開けると相手の引き出しも開いて、どんどん話が面白くなっていく。起業家を支援している私自身も、引き出しが増えていく感覚があってとても楽しいですね。
ウィルスタイルと仕事をしてみて
- 坂口
弊社とお仕事を進めてみていかがでしたか。
- 兼城
そうですね、お仕事をするうえでとても相性が良いと感じました。弊社は、単純に「受託開発をします」という会社ではないんです。言われたものをただ作るだけではなくて、相手が起業家としてビジネスをどのように成功させるかということをこだわり抜きたくて。私自身、これまでにいくつかの会社を立ち上げていますし、起業家が成功することが世の中を変えるきっかけになると思っているんです。だからこそ、事業成功のためには思ったことを忖度なく伝えています。
ウィルスタイルさんは、デザインのコンセプトやブランディングの観点から、割とコンサルティングに近いことをされている印象があって。意見をそのまま鵜呑みにするのではなくて、「こうするほうが使いやすいのでは」とか「こういう方法もありますよ」とか、提案をベースに進めていらっしゃるところが、私たちとスタンスが近いのではないかと感じました。
- 奥田
まずは相手のことをよく知ることが大事なので、御社ともかなりお打ち合わせを重ねましたね。お互いの答えが出るまで、多くのコミュニケーションをとりました。
- 野村
最近のトレンドを踏まえて、早いスパンで要望をそのまま形にしたり、それっぽいものを作る方法はあるのかもしれません。そのような中でも、お客様にしっかりと寄り添い、事業の成功を一番に考えて取り組まれる姿勢がとても素敵だなと思いました。
- 兼城
私たちはスタートアップスタジオという形態でお仕事をさせていただいています。スタートアップスタジオの「スタジオ」は、ハリウッドスタジオをモデルイメージにしているんです。良い映画を作るためのプロフェッショナルが集まっていて、適切な人材を要所要所に割り当てるという方法ですね。スタートアップスタジオはそのスタートアップ版で、スタジオ内に専門家を集め、そのノウハウを共有して起業家のアイデアをサポートし、事業を伸ばしていくという方法なんです。
そのような意味では、ただ「受託で仕事を受けます」というような受け身の姿勢ではなく、「事業を伸ばすためにはどうすべきか」に向き合える人たちとパートナーシップを結びながら、一緒に事業を作ったり、支援先の事業を伸ばしていくことが大切になります。ウィルスタイルさんはそういった点で、とても最適なパートナーだと思っています。
- 坂口
お客様の要望を深堀りし、意見を率直に話し合える姿勢が同じだなと感じました。プロダクトの完成がゴールではなく、お客様の事業を成功に導くことをゴールにしているのは両社が一番大切にしていることだと思います。
パートナーとしての今後の展望
- 兼城
私たちは、スタートアップスタジオという形態で、起業家を生み出したり、私たちが新しい事業を生み出すというお仕事をさせていただいています。弊社は起業家の支援や開発、ウィルスタイルさんはデザインやブランディングというところで、お互いの強みを持ち寄り、良い関係性でパートナーシップが組めているのではないかと思います。
- 坂口
ありがとうございます。実は今、社内で利用している顧客管理ツールがあるのですが、奥田がゼロから自作したものなんです。同じようなツールは世の中にいくつか出ているのですが、ちょっとしたデザインの違いや見せ方を工夫するだけで、格段に使い勝手が良くなるものもあるんです。私たちは逆に、それを世の中に出す方法をあまり持っていないので、御社にご相談したり、技術的に協力しつつ進めていくことができれば嬉しいなと思っています。
- 野村
弊社としてもその可能性は十分にあると思っています。私たちは、高専生が多く在籍していることやエンジニア集団であるという見え方から、開発が得意という部分がフォーカスされがちなんです。その部分に、御社のデザインが入ってくると、新たな事業が生まれたり、今までベースにしていたことが更に伸びたりということは大いに有り得るのではないかと思います。
- 奥田
今回、新しくUI事業を立ち上げることになり、少しずつではありますがお客様の輪がつながってお仕事を頂く機会が増えてきています。今までは私自身がデザインから実装までのすべての作業を担当していましたが、どうしてもリソースが不足するときもあって。そのような際に、御社へお声がけさせていただいたり、UI/UX関連で必要なリソースがあればご依頼いただくのも良いのかもしれませんね。
- 野村
- そうですね、ぜひご協力できればと思います。弊社はモダンなインタラクションを用いた実績はそこまで多くないんです。やはり、インタラクションまでの実装となると工数が多くなる傾向があって。例えば、ロジカルな部分は弊社で、インタラクションなどの繊細な表現はウィルスタイルさんで、というようにお互いの強みを使って補完しあえる部分もあるのかなと思います。
両社のみらいについて
- 坂口
御社とは、「みらい」と「will」という社名でも共通点があります。
私が社名を付けるときにwillを選んだのも、”未来”や”意思”など、お客様や私たち自身の未来に関わる形を作っていきたいなと思ったからなんです。未来ってすごく良い言葉だなと。
- 兼城
私たちはもともと、株式会社みらい創造機構という投資会社からカーブアウト(※1)して作られた会社なので、その「みらい」を受け継いでいます。別の社名にする選択もあったのですが、みらいという言葉は私も好きだったので、そのまま使うことにしたんです。そこにスタートアップスタジオの「スタジオ」を付けて、みらいスタジオにしました。社名にはやはり分かりやすさが大切だと思います。
- 奥田
最初のお顔合わせでは、「”みらい”が揃いましたね」というお話もしましたね。御社とは考え方も含めて共感できる部分が多いなと感じています。
今回、こうして御社とお話をさせていただいて感じたキーワードは、「楽しい」ということだなと改めて思いました。初めてお会いしたときから、一緒にお仕事をするのが本当に楽しくて。
- 兼城
私も、坂口さん、奥田さんとの打ち合わせは本当に楽しいです。今までの打ち合わせでも時間内に終わった経験がほぼないですよね、1時間の枠で1時間半喋るみたいな(笑)
でもそれは楽しいからでもありますし、なにより私自身の勉強になるからなんです。仕事にまつわるお話はもちろん、最近起きた出来事や、事業のこれからについてなど、話せば話すほど話題が尽きません。これって共に仕事をする相性として、とても良いと思うんです。
- 坂口
- 嬉しいお言葉、ありがとうございます。仕事であっても、お互いが楽しく進められることが一番ですよね。これからもみらいとwillで、たくさんのお客様の未来をつくっていきたいです。
- (※1)カーブアウト:企業が戦略的に小会社や自社の事業の一部を外部に切り出し、新会社として独立させること。
撮影地:福井県鯖江市、Hana工房(https://hana-kobo.com)